今田美桜が「20代でやり残したことはない」と言い切れる理由。福岡の女の子が女優になるまでの11年間

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「20代でやり残したことは、ないです!」

2026年の年明けに、今田美桜さんがこう言い切りました。29歳、20代最後の年のインタビューでの言葉です。

この発言を聞いて、私は少し胸が熱くなりました。ただの強がりではない、と思ったからです。福岡からひとりで上京して、ぱっとしない時期を経て、朝ドラのヒロインになって、紅白の司会をやって——その全部を経験した人が言うから、説得力がある。

2026年10月7日から日本テレビで放送中の『メリーベリーラブ』では、韓国の人気俳優チ・チャンウクさんとのW主演という大きな舞台に立っています。日韓初共同制作という話題作の主演を担うのは、11年間のキャリアを積んできた今の今田美桜さんだからこそ、だと思っています。

この記事では、今田さんの軌跡を追いかけてきたひとりとして、次のことをお伝えします。

  • デビューから現在まで、何がどう変わったのか
  • 私が「今こそ観てほしい」と思う理由
  • 過去作でどれから観ればよいか
  • 今期ドラマ『メリーベリーラブ』のここが見どころ

今田美桜さんのプロフィール

項目内容
名前今田美桜(いまだ みお)
生年月日1997年3月5日(29歳)
出身地福岡県
身長157cm
活動開始2015年(NHKドラマ『私は父が嫌いです』でデビュー)
転機となった作品『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS・2018年)
主な受賞歴日本アカデミー賞新人俳優賞(2022年)、エランドール賞新人賞(2024年)
2025年の主な仕事NHK連続テレビ小説『あんぱん』主演、NHK紅白歌合戦初司会
2026年10月の話題日テレ×CJ ENM共同制作『メリーベリーラブ』主演・放送中

デビューから上京まで——福岡の女の子が夢を追った日々

今田美桜さんが俳優の仕事を始めたのは2015年、18歳のときです。NHKのドラマ『私は父が嫌いです』でスクリーンデビューを果たしました。

ただ、このデビューがそのままブレイクに直結したわけではありません。福岡県出身の今田さんは、高校卒業後もなかなか仕事が増えず、日雇いのアルバイトをしながらオーディションを受け続けた時期があったと語っています。

19歳のとき、単身上京しました。生まれ育った福岡を離れ、東京に出てくる決断は、当時の彼女にとってどれほど大きなものだったか。「長女だけど、ふだんは妹気質なんです」と語る、どこか頼りなさそうな空気を持つ女性が、ひとりで東京に乗り込んで仕事を切り拓いていく——このギャップが、後の今田さんの持ち味になったと私は思っています。

上京後も、すぐに道が開けたわけではありませんでした。出演が続いてもブレイクとは言えない状態が続く。それでも彼女は辞めなかった。「余白がある人間になりたい」という言葉を後に語っていますが、この時期に積み重ねた「何者でもない時間」が、後の彼女の表現に豊かな余白を生んだように思えます。

「花のち晴れ」でブレイク——知られ方と、知られ方の問題

2018年、TBSドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』に出演し、今田さんの名前は一気に広まります。『花より男子』の続編にあたるこのドラマで、ヒロインと対立するライバル的な役どころを演じ、その愛くるしい顔立ちと存在感が注目されました。

ここで起きたのが、「今田美桜は可愛い」という認知です。もちろん、それは事実だし、武器でもある。しかし同時に、これは新たな課題でもありました。「可愛い女の子」という認知は強力ですが、そこから先に俳優として深みを持って見てもらうためには、別の何かが必要になる。

2019年の日本テレビ『3年A組〜今から皆さんは、人質です〜』では、菅田将暉さん主演のシリアスな学園ドラマに出演。コメディ寄りの印象を持っていた視聴者の前で、緊張感のある演技を見せています。このころから少しずつ、「可愛いだけじゃない今田美桜」が滲み出てきます。

「可愛い」という評価の上に乗りながら、同時にその評価を超えていく。これが、今田さんのキャリアの根幹にある動きです。この動きが一番はっきりと見えたのが、2022年の『悪女(わる)』でした。

「悪女」での初主演——何かが変わった瞬間

2022年、日本テレビ系『悪女(わる)』で今田さんはドラマ初主演を飾りました。深見じゅん原作のコミックを令和版にリメイクした作品で、江口のりこさんとのW主演です。

「悪女」という言葉が含まれたタイトルからは、いわゆる悪役や謀略の話を想像するかもしれません。しかしこのドラマの主人公は、「悪女(わる)」という言葉の持つ本来のニュアンス——男性社会を渡り歩く、したたかでエネルギッシュな女性——を体現するキャラクターでした。コミカルさと、そのコミカルさの奥にある「本気で仕事と恋愛に向き合う女性の強さ」が同居している役です。

この作品での今田さんは、明らかに何かを解放しています。主演という立場でドラマを引っ張る責任を負いながら、それを「肩の力が入っている感じ」ではなく、「ただ自分がその人物として生きている感じ」で見せていた。このドラマで彼女は日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しています。

それまでの今田さんは、どこか「見られることを意識している」空気が残っていた。主演を経験したことで、初めて「見られることを忘れられた」ように見えました。ここが、私が彼女のキャリアで最初の大きな転換点だと感じているところです。

朝ドラ「あんぱん」——NHKが選んだ理由

2025年度前期、NHK連続テレビ小説『あんぱん』でヒロインを務めました。「アンパンマン」の生みの親・やなせたかしさんの妻、小松暢さんがモデルとなった「朝田のぶ」を演じています。

朝ドラのヒロインは、俳優としての通過点であり試金石でもあります。半年間、毎朝15分、日本全国の視聴者の前に顔を出し続ける。体力的にも精神的にも、それ相応の準備が必要な仕事です。しかし今田さんにとってこの役が特別だったのは、単に「主演した」という事実以上のことがあったからだと思います。

やなせ夫妻が何年経っても互いを尊敬し合い、撮り続けたふたりの写真——役作りの過程でそのエピソードを知った今田さんは、「結婚への憧れがありますね」と語ったと伝えられています。役を「外側から理解する」のではなく、「その人の人生を生きることで自分の感覚が変わった」経験です。

俳優としての成熟は、技術の向上だけで起きるのではなく、役を通じて自分自身が変わるときに起きる——今田さんはこの朝ドラで、そういう経験を積んだのではないかと感じています。

そしてその評価は形になりました。2024年にはエランドール賞新人賞を受賞。さらに、『あんぱん』の翌年末のNHK紅白歌合戦で、初めて司会を担当しています。

紅白の司会台に立つまで——ここまで来た、ということ

2025年末のNHK紅白歌合戦で、今田美桜さんが司会を務めました。これは単なる「人気者へのご褒美」ではないと思っています。

紅白の司会は、その年の顔とも言える存在です。歌手でも、コメディアンでもなく、「今年の紅白を任せるに足る女優・タレント」として選ばれるのは、知名度だけでなく安定感と信頼感が必要です。生放送で何時間も画面に出続けるのは、スタジオドラマとは全く異なる種類の仕事でもあります。

高校卒業後、日雇いバイトをしながらオーディションを受け続けた時期があった。19歳で単身上京した。そこから11年かけて、日本最大の生放送番組の司会台に立った。

「20代でやり残したことはないです!」という言葉は、この文脈で読むべきです。強気な発言ではなく、積み上げてきたものへの確かな手応えから出た言葉だと、私はそう読んでいます。

今期ドラマ『メリーベリーラブ』——なぜこれを観てほしいか

2026年10月7日から日本テレビ系(毎週水曜よる10時)で放送中の『メリーベリーラブ』は、日本テレビとCJ ENM(韓国)の初共同制作ドラマです(ciatr 作品情報はこちら)。

今田さんが演じるのは、日本の島・茶呂島でイチゴを育てる農業女子・白浜夏凛。亡き祖父の遺志を継ぎ、新種のイチゴ開発に情熱を注ぐ女性です。そこへ、韓国で成功した空間プランナーだったが一夜にして地位と財産を失ったイ・ユビン(チ・チャンウク)がやってきて、ふたりは誤解から始まる関係を縮めていく——言語と文化の壁を越えたロマンティックコメディです。

この作品で今田さんが挑戦していることは、大きく二つあります。

ひとつは、日韓共同制作という現場の難しさです。韓国の監督・脚本家と組む作品では、演技の見せ方のカルチャーが異なります。今田さん自身が「新しい挑戦で、撮影前からワクワクしていました」と語り、監督や共演のチ・チャンウクさんと何度も話し合いを重ねながら現場の空気感を作ったと伝えられています(デイリースポーツの取材記事)。自分が慣れた場所からあえて外に出る選択は、この人のキャリアの一貫した傾向です。

もうひとつは、農業女子というキャラクターの新しさです。「可愛い」「コミカル」「明るい」という今田美桜のイメージを保ちながら、土に向き合い、季節の中で生きる女性を演じている。「イチゴは季節を映し出すもの」という役の信念は、今田さん自身の「今この時間に正直でいたい」という姿勢とも重なって見えます。

メインテーマはSEKAI NO OWARIの新曲「Supermarket」。映像の美しさも含め、秋のドラマとして楽しむのにちょうど良い作品です。

チ・チャンウクとの共演について

今作の共演相手・チ・チャンウクさんは韓国を代表する俳優のひとりです。日本でも熱狂的なファンを持ち、Netflixでも複数の作品が配信されています。

撮影現場では、今田さんが転倒することが何度もあり、チ・チャンウクさんが「毎日お祈りしていました」とコメントしたとのエピソードが報じられました(秋田魁新報)。このエピソードひとつで、ふたりの現場での関係性がどれほど温かいものかが伝わってきます。

韓国の大スターと対等に向き合えるだけの立ち位置を今田さんが持てているのは、悪女での主演経験、朝ドラでの半年間、紅白司会という積み重ねがあるからだと思います。11年分のキャリアが、この共演を可能にした。

私が選ぶ「今田美桜を知るための3本」

今期ドラマをより深く楽しむための「予習ルート」を共有します。観る順番も含めて、私のおすすめです。

1本目:『悪女(わる)』(日本テレビ / 2022年)

まず最初に観てほしいのはここです。初主演作で、今田さんが「女優として開いた」瞬間が詰まっています。

コミカルな演技と、その奥にある芯の強さが同居しているのが、この作品の今田さんの魅力です。笑えるシーンほど、実は難しい。表情だけで笑わせながら、同時に「この人は本気だ」という感覚を残さなければならない。それを自然にやっていました。

日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した作品でもあります。「花のち晴れ」で知った方にも、ここで改めて観直してほしい作品です。

2本目:『あんぱん』(NHK連続テレビ小説 / 2025年)

次に観てほしいのが、朝ドラ主演作です。やなせたかしさんの妻・小松暢さんがモデルの役を演じています。

この作品で今田さんが見せたのは、「ドラマの主役として画面を引っ張る」演技ではなく、「その人物として半年間生き続ける」演技です。毎朝15分、どの回で観ても「今田美桜」が「朝田のぶ」として存在している。この継続性が、俳優としての地力を証明していました。

「役を通じて自分の感覚が変わった」体験が詰まった作品でもあります。今田さんの温かみのある演技が好きな方は、この作品から入るのも良いと思います。

3本目:今期ドラマ『メリーベリーラブ』(日本テレビ / 2026年10月〜)

上の2本を観てから今期ドラマを観ると、今田さんがどれほど遠くまで来たかがわかります。初主演のころのどこか緊張していた感じが消えて、のびのびとした空気の中で、ひとりの女性として存在している。

毎週水曜よる10時、日本テレビ系で放送中です。TVerで見逃し配信もあります。

【番外編】さらに過去を遡りたい方へ

今田さんをデビューのころから追いたい方には、次の作品が参考になります。

『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS / 2018年):ブレイクのきっかけになった作品です。まだ「可愛い女の子」の枠の中にいるころの今田さんが見られます。その後のキャリアとの違いを比較しながら観ると、変化が際立ちます。

『3年A組〜今から皆さんは、人質です〜』(日本テレビ / 2019年):菅田将暉さん主演のシリアス学園ドラマ。初期の今田さんがシリアスな演技に挑んだ作品です。コミカルさとは異なる側面が見え始めた時期の作品です。

「ないです!」と言い切った理由——29歳の今田美桜が教えてくれること

「20代でやり残したことは、ないです!」という言葉に戻ります。

この言葉は、「全部うまくいった」という意味ではないと思っています。ブレイクしてもすぐに評価が定まらなかった時期があった。主演を張るまでに7年かかった。朝ドラは半年間の長距離走だった。紅白の生放送は何かが起きれば取り返しがつかない。

それでも全部やってきた、ということへの「ないです!」だと読んでいます。

俳優という職業は、どこかで「まだ足りない」「もっと上がある」と感じ続けることが多い仕事です。今田さんのこの発言は、自分がやってきたことを肯定して前に進む宣言——そういうものに聞こえます。

29歳で、もう20代でやりたいことを全部やった気がする、という状態にある人が、30代にどんな俳優になっていくか。そこに私は一番興味があります。

私が今田美桜さんを推す理由をひとことで言うなら:アイドル的な可愛さを持ちながら、それに甘えずに一歩ずつ自分の演技を積み上げてきたところです。朝ドラのヒロインとして、ただそこに生きている人として画面に映っていた瞬間に、「あ、この人はもうアイドルじゃなくて女優なんだ」と感じました。その変化を目の前で見てきたから、これからの30代がもっと楽しみです。

まとめ:29歳の今が、一番おもしろい

  • 2015年:NHKドラマでデビュー。日雇いバイトをしながらオーディションを受け続けた時期も
  • 2016年:19歳で単身上京
  • 2018年:『花のち晴れ』でブレイク。「可愛い」という認知が広まる
  • 2022年:『悪女(わる)』で初主演。日本アカデミー賞新人俳優賞受賞
  • 2025年:NHK朝ドラ『あんぱん』主演、紅白歌合戦初司会
  • 2026年:20代最後の年に「やり残したことはない」と言い切り、日韓W主演ドラマで新しい挑戦

観るタイミングは今です。『メリーベリーラブ』は毎週水曜よる10時に放送中で、TVerで見逃し配信もあります。「最近の今田美桜さん、何をやっているんだろう」と思ったら、ぜひ今週から観てみてください。

今後の注目スケジュール

  • 毎週水曜 よる10時:『メリーベリーラブ』放送中(日本テレビ系)
  • TVerでも見逃し配信あり

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